休む理由〜再開のきっかけ。

昨年の緊急事態宣言以降ほとんど触ることのなかったリュート。

今年からボチボチ再開しようかと思います。

別に緊急事態宣言だから演奏活動をお休みしていたわけではないのです。

一昨年の演奏会の終わり頃、心身ともに限界が来ていたのです。

結婚後に勉強したくて、大学へ通い自分の表現したい音楽と古き良き時代の名もなき音楽をどうやって知ってもらおうか、また楽しんで聴いて貰うにはまず自分自身が日々努力して少しでも技術の向上を目指さねば。。。

そんな思いと自分の身体が段々ついて来られなくなっていました。

心の中で少し音楽から離れたいと思う一方、ここで足を止めるわけにはいかないと思う自分との葛藤。

それは何故か。

私は、とても幸運な人間です。

子供時代、学びの環境に恵まれなかった私は、その事がトラウマになり大人になっても前向きに生きていく事が出来ませんでした。

当時は突然、実にくだらない理由で理不尽に学びの場を絶たれ、本当に悔しい思いをしてきました。

高校3年生の冬、学校の求人票が貼られている壁の前で1人泣いていた事、今でも忘れる事はありません。

しかし、そんな私を察し、唯一心配してくれたのが相方でした。

結婚後に自分のやりたい事を見つけた私に後悔しない人生を進んでほしい、前向きに生きてほしいと、大学へ行くことを応援し精神的にも経済的にもサポートしてくれました。

私の唯一の理解者であり、味方でいてくれる人です。

彼とはただの夫婦です。。。

親でもなければ血の繋がった兄弟でもありません。

それでも相方は、自分の人生の一部を私に分けてくれました。

そう、それはまるでアンパンマンがお腹を空かせた子供に自分の頭の一部を与える様な。。。自分を犠牲にしても他人を助けるなんて簡単に出来る事ではありません。

また、結婚して大学に行く私を否定し、非難する周囲からも守ってくれました。

大学受験は壮絶でしたが、それは明るい未来に向かう茨の道。

苦労も楽しさへと変換出来るくらい強くなれました。

また、学びの場では色々な人達と出会う事で考え方が柔軟になり、私の様な周囲と違った考えを持つ人間にとって、生きやすくなった事もとても大きかったと思います。

本当に宝物のような4年間でした(❁´ω`❁)*✲゚*

そのおかげで、私は前向きに生きる事が出来るようになりました。

その後、無事に大学を卒業した私にある悩みが立ちはだかりました。

音楽をやるには莫大なお金がかかります。

大学で学ぶチャンスをくれただけでも有り難かった私は、卒業したら相方の負担にならない様に音楽をやめて普通働くべきか、このまま音楽を続けていくか悩んでいました。

大学へ通っていた4年間、相方には大変な苦労をかけたし、これ以上望むのは申し訳ないという思いもあり、悩みに悩んで一旦音楽をやめて働こうと思いました。しかし、そんな私の考えに相方は反対。「学んできた事はどういう形であれ続けるべき!」と背中を押してくれたのです。

本当に有難い言葉です。。。

「但し、家計が破綻しないようにね〜」と追加のお言葉。

はい!それはもう。。。(;>艸<;)

それから仕事をしながら、レッスンへ通い、練習、勉強、そして年に数回の演奏会の開催。

年々、自分の身体の衰えを感じながら、それは無我夢中でした。

『ちょっとやそっと疲れたくらいで根を上げちゃいけない!』

『何より10年遅れて歩み始めた私には、1秒たりとも無駄にできる時間なんて無い!』

『これまでの遅れをしっかり取り戻すんだ!』

という思いの方が強すぎてしまい、自分から足を止めるということが出来ませんでした。

しかし、自分が思っていた以上に心身の疲労はピークだったようで、限界に来たところであの緊急事態宣言。

“ああ。。。”

“休める。。。”

心の第一声でした。

これがきっかけで休む事に踏み切れたのは本当に良かったと思います。

緊急事態宣言がもう少し遅かったらと思うと。。。

どうなっていたんだろう私。。。

今考えると恐ろしいです。。。(´∀`;)

言葉は良くないですが、この緊急事態は私にとって休む理由が出来て良かったのかもしれません。。。

こうして1年近く音楽に触れない生活を送っていました。

そんなある日の事、とある曲がふと頭の中に流れてきたので、気分転換に聴いてみようと思いました。私は普段、音楽は聴かないのですが、この時ばかりは何故か聴かずにはいられないという強い衝動に駆られたのです。

iTunesで曲を探して曲をかけた瞬間、それまで何ともなかった自分の目から止めどなく涙がブワッて溢れだして。。。止まらない。。。

その曲はかつて生きる事が辛く、どうしょうもなかった時に心の支えになった曲で、その曲を聴きながら、『いつかチャンスは来るから諦めるな』と自分の心にずっと言い続けていたのです。

生きる事を諦めなくて良かった!!

心からそう思えるようになりました。

そして涙を拭き気持ちを落ち着かせながら、私が長年描いてきた絵ではなく、畑違いの音楽という道を選んだ時の事を思い出しました。

目まぐるしく忙しい毎日に追われて、忘れていた。。。

とっても大切な事なのに。。。大いなる反省(≧w≦;)

そう思いながらリュートを手にしていました。

再開です!

とはいえ、1年も楽器に触れていないと、こんなにも弾けなくなるなんて。。。( ̄∀ ̄;)

指も硬いし、反応も動きも鈍い。。。お休みしていたツケは大きい。。。

以前の様に弾けるまで、少し時間がかかりそうです。。。

またゼロからのスタートになりますが、少しずつ出来ることから始めていこうと思います。

という事で、今年は自分の音楽を見直す年になりますが、また世の中がウイルスの脅威から解放される日が訪れ、演奏会が出来る様になった時のためにしっかり準備していきたいと思います!

その時は是非とも耳を傾けて頂けたら嬉しいです+゚。*(*´∀`*)*。゚+